現在、様々な大学病院や研究機関や企業で「がんペプチドワクチン」の臨床試験が行われ、いくつかの驚くべき効果が報告されています。
その中で目立つ成果を上げているのは4つの研究グループで、いずれも厚生労働省の「最先端医療開発特区」に選ばれている研究グループです。
2008年の厚生労働省による「革新的創薬等のための官民対話」で提唱され創設が決定したのが「最先端医療開発特区」で、京都大学の山中伸弥教授らのグループによるiPS細胞作成の成功を受けて実質的に動き始めました。
「最先端医療開発特区」では医薬品や医療機器の審査が迅速に行われることと、開発段階から関係省庁との検討が優先的に行われ予算面でも優遇措置があります。
2008年7月25日から9月12日までの期間にプロジェクトの公募が行われ24の研究グループが選ばれました。
その中の革新的バイオ医薬品の開発という分野に「がんペプチドワクチン」関連の以下の4つの研究グループが含まれています。
これらの「がんペプチドワクチン」の研究は1990年代に始まっていましたが、研究が盛んになったのは「がんペプチドワクチン」が肺がんや乳がんの手術後の再発予防の効果が報告された2006年頃からです。
そして、2008年の厚生労働省による「最先端医療開発特区」で研究が本格化しました。
代表者/機関名 | 主な研究機関 | 課題名 |
---|---|---|
中村祐輔/東京大学 | 久留米大学/札幌医科大学 国立がんセンター/東京大学 |
がんペプチドワクチン療法の開発 |
山西弘一/医療基盤(研) | 大阪大学/北海道大学 東京大学医科学(研) 国立感染症(研) |
次世代感染症ワクチン・イノベーションプロジェクト |
岸本忠三/大阪大学 | 鹿児島大学/京都大学 樺外製薬 |
免疫先端医薬品開発プロジェクト |
珠玖洋/三重大学 | 北海道大学/慶応大学 東京大学医科学(研) |
複合がんワクチンの戦略的開発研究 |