「がんペプチドワクチン」のデメリット


「がんペプチドワクチン」のデメリット

リンパ球の数の制限

リンパ球の数の制限 臨床試験が進んでいる「がんペプチドワクチン」療法は、現在のところ誰もが受けられる治療ではありません。
それは、「がんペプチドワクチン」療法の臨床試験への参加希望患者が殺到しているとか、費用が高いという問題ではありません。
現在の技術レベルで「がんペプチドワクチン」療法の臨床試験へ参加するには、様々な制限があるのです。従って、結果的に殺到している参加希望患者は淘汰されているのが現状です。
参加を制限する項目の1つ目はリンパ球の数です。
「がんペプチドワクチン」療法の核心は、人間が本来持っている免疫機能を活性化させてがん細胞を死滅させる戦略です。しかも現在の「がんペプチドワクチン」療法はそこから1歩進化して、リンパ球を構成しているキラー細胞ががん細胞を特定して死滅させるところまで来ています。
しかし、その為には、がん患者のリンパ球数が一定のレベルを維持していることが求められています。しかし、多くの場合「がんペプチドワクチン」療法の臨床試験に参加が許される末期がん患者は、抗がん剤の副作用で白血球内のリンパ球の数が健康な人を下回る場合が多くなっています。
リンパ球の数の制限は臨床試験を行う大学病院や研究機関によっても弱冠ちがいますが、1mm立方当たりで1,000個以上のリンパ球がないと治療効果が無いというのが一般的な見解となっています。

患者の白血球の型や「ペプチド」との相性も治療効果に大きく影響 また、患者の白血球の型や「ペプチド」との相性も治療効果に大きく影響しています。従って、現状ではがんの末期患者の中でそれらの条件を満たした患者しか治療の対象になっていないのは、大きなデメリットと言えます。

「がんペプチドワクチン」の副作用

「がんペプチドワクチン」の副作用 これまで報告されている限りでは「がんペプチドワクチン」の副作用は、従来のがんの三大療法と言われる「外科療法」と「放射線療法」と「抗がん剤による化学療法」の副作用に比べると、遥かに軽度な副作用であると言えます。
「外科療法」と「放射線療法」と「抗がん剤による化学療法」の副作用は、がん患者にとって末期がんの苦痛を上回る場合があります。
それは、末期がん患者が、残されたがんを抑える唯一の方法である「放射線療法」と「抗がん剤による化学療法」を副作用の辛さから断念する場合が多いことに表れています。
つまり、「こんな苦痛を味わう位ならがんで死んだ方がマシ」と考えるほど副作用の苦痛が大きい訳です。

「がんペプチドワクチン」の副作用は皮膚の炎症反応が大部分 それに比べると、「がんペプチドワクチン」の副作用は皮膚の炎症反応が大部分で稀に発熱が見られる程度ですから、患者が余裕を持って耐えられるものです。