日本のがんの死者数は年間で30万人という現実


日本のがんの死者数は年間で30万人という現実

我が国の現状

我が国の現状 一昔前の「がんは不治の病」というイメージから、ここ10年は治るがんが増えてきたことは事実です。一昔前はがんが見つかった場合、医師や家族は本人に内緒にしましたが、現在は医師も躊躇無く患者に告知しています。
しかし、今でも我が国のがんの死者数は年間で30万人台が続き僅かに微増を続けています。
最近の厚生労働省の統計によりますと2009年にがんで死亡した人の数は男性206,352人・女性137,753人で合計344,105人に上っています。
この数字は1日当り1,000人前後の人が、がんが原因で亡くなっていることを意味しています。つまり、1ヶ月で東日本大震災を上回る人が、がんで亡くなり続けているのです。
がんは治る病になったにも関わらず、がんで亡くなる人の数は減ってはいない訳です。がん患者の数が増えているのか、それとも、がん患者の余命が延びているだけなのでしょうか?

がん死が多い原因 がん死が多い原因の1つに国家的ながんに対する対策の遅れが指摘されています。
厚生労働省のがん対策は旧態依然の状況で、「がんが不治の病」だった頃と根本的には変わっていません。また、抗がん剤や新薬に対する認可は、先進国中で最も時間が掛かる国になっています。この様な日本のがん患者を「がん難民」と表現するがん研究の権威もいます。
つまり、現在の厚生労働省のがん対策は、「がんが不治の病」だった頃の対策と何ら変わっていません。相変わらず厚生労働省は責任もリスクも取ろうとはしないのです。責任を取らないのなら、せめてリスクだけでも取って貰いたいというのが患者の偽らざる気持ちなのです。
従って、もっと、がんの新薬に対する認可を早め、先進医療に国家予算を注ぎ込む覚悟が必要と言えます。

がんの死亡率

がんの死亡率 そして、全死因に対するがんの割合は約3割に達しています。
只、男女差が有ることも事実です。男性の全死因に対するがんの割合が34%前後に達しているのに対して、女性は25%前後と女性のがんの比率が低くなっています。
更に、がんは加齢によって発症リスクが高くなることから、高齢化の影響でがんの死亡数は増加傾向を続けています。只、75歳未満の各年齢ごとのがん死亡率は減少傾向が見えていますが、がんの部位別の種類は逆に増加していると言えます。

がんの患者数

がんの患者数 男女別のがんの部位別の上位は男性の場合、最も多いのが肺がんで、以下、胃がん・肝臓がん・結腸がん・すい臓がんの順番になっています。同様に女性の部位別の上位は肺がん・胃がん・結腸がん・すい臓がん・乳がんの順番で男女共に肺がんと胃がんが1位と2位に入っているのが我が国のがんの特長と言えます。

がんの死者数のおおよそ2倍で年間65万人前後 また、がんに罹る人の数は、がんの死者数のおおよそ2倍で年間65万人前後となっていますが、男性が37万人前後で女性が27万人前後となっています。
がんの患者数の多い部位は男性の場合、胃がん・大腸がん・肺がん・前立腺がん・肝臓がんの順番で、女性は乳がん・大腸がん・胃がん・子宮がん・肺がんとなっています。
がんの部位別死亡者数と比較しますと男性は前立腺がんの患者が多く、女性は乳がんと子宮がんの患者数が多いのが特長と言えます。つまり、男性の前立腺がんや女性の乳がん・子宮がんは死に至ることが少ないがんと言えます。
また、継続的な治療を受けているがん患者は全国で常時150万人以上で、その内の1割程度の患者が入院治療を受けており、毎日、同数の患者が外来診察を受けているのが実態と言えます。そして、現在のがん罹患の生涯リスクは男性で54%・女性で41%に達しており、日本人の2人に1人の人が一生の間に何らかのがんを患う計算になります。