抗がん剤によるがん治療のメリット

抗がん剤によるがん治療のメリット

全身に効果を発揮する治療

「抗がん剤による化学療法」のメリットの１つ目は、がんに対する局所的な治療ではなく全身に効果を発揮する治療が行えることです。
早期に発見された狭い範囲に留まるがんであれば、手術によって切除する治療が効果的です。また、放射線治療もがんの病巣が一定の範囲に限定されている場合に、より効果を発揮します。

しかし、進行性のがんはリンパや血液に乗って全身に転移することがあります。また、手術や放射線治療を受けた後に、再発して転移が起こることもあります。
従来、この様ながん患者は「抗がん剤による化学療法」を行っても3ヶ月〜6ヶ月で亡くなることが多かったのです。
しかし、近年の効果的な抗がん剤の開発によって、この様な末期がんの延命期間は確実に延びています。
そして、進行性の末期がんの延命期間が長くなるだけではなくて、がんの種類によっては「抗がん剤による化学療法」で完治するケースも増えています。

例えば、白血病などの血液系のがんの場合は、「抗がん剤による化学療法」で50%程度の治癒率が実証さています。

抗がん剤を組み合わせる効果

「抗がん剤による化学療法」のメリットの2つ目は、複数の抗がん剤を組み合わせることや抗がん剤と放射線治療を組み合わせることによって効果が上がる場合が増えてきたことです。
例えば、悪性リンパ腫や血液系のがんの場合は、複数の抗がん剤を組み合わせることで治癒するケースが増えてきました。
また、食道がんは3/4は進行がんの段階で発見されますが、抗がん剤と放射線の併用療法を行うことで治療成績が上がっています。
従って、「抗がん剤による化学療法」が効果的ながんは、急性骨髄性白血病や悪性リンパ腫などで、これらに準じるがんが胃がん・大腸がん・子宮がん・前立腺がん・膀胱がんなどです。

がんの再発を防ぐ効果

「抗がん剤による化学療法」のメリットの3つ目は、手術や放射線で除去されたがんの再発を防ぐ働きが期待できることです。
特に、早期がんを手術で除去した場合、抗がん剤を服用することで再発のリスクが下がることが解っています。

また、抗がん剤の副作用を抑える薬が開発されたことも患者にとっては大きなメリットです。特に、副作用の中で大きな比重を占めた吐き気を抑える薬が開発されたことは、患者にとっては朗報と言えます。