放射線によるがん治療のデメリット


放射線によるがん治療のデメリット

放射線に対するがんの感受性

放射線に対するがんの感受性 放射線によるがん治療のデメリットの1つ目は、臓器や悪性腫瘍の種類によって向き不向きがあることです。
もともと、がんなどの悪性腫瘍の細胞は正常な細胞に比べると、放射線に弱いことが放射線治療の基本的な狙いなのです。
しかし、悪性腫瘍のがん細胞の放射線に対する感受性には差があります。つまり、比較的放射線に強いがん細胞や非常に放射線に弱いがん細胞も存在することが解っています。
従って、放射線治療の効果が出る場合と出ない場合がある訳です。
このことをがん細胞の放射線感受性と呼んでいます。
また、放射線に対する臓器の耐性にも差があります。つまり、放射線のダメージを受け易い臓器と受け難い臓器がある訳です。従って、このがん細胞の放射線感受性と臓器の放射線耐性の兼ね合いを考えなければなりません。

放射線の副作用

放射線の副作用 放射線によるがん治療のデメリットの2つ目は放射線による副作用です。
放射線による副作用には急性副作用と晩期副作用があります。急性副作用は放射線照射によって起こる急性反応を意味します。
通常、放射線を悪性腫瘍に照射しますと程度の差はありますが臓器や組織は炎症を起こします。つまり、悪性腫瘍を抑え込む程度の放射線を照射した場合、がん細胞は大きなダメージを受けますが正常な細胞も炎症を起こしてしまう訳です。この副作用の炎症は放射線の照射の回数が重なるにつれて徐々に出てきます。
そして、放射線の照射が続くと炎症が強まり副作用の症状も酷くなりますが、照射が終わると日を追うごとに副作用は弱っていきます。
この様な急性副作用の具体的な症状は、体の倦怠感・食欲不振・軽い貧血・眠気・むかつき・皮膚炎などです。

放射線の副作用 また、晩期副作用は放射線治療が終わってから数ヶ月〜数年後に起こる副作用で、通常、
放射線治療を受けた患者の5%〜10%程度の患者に見られます。
晩期副作用の症状は、消化器系潰瘍・肺炎・穿孔出血・腸閉塞・慢性直腸炎などが主な症状です。この様な晩期副作用は日常生活に重大な問題を引き起こす場合や手術が必要な場合もありますから、症状を自覚した場合は、放射線治療を行った病院の診察が必要です