放射線によるがん治療


放射線によるがん治療

「放射線療法」のメカニズム

「放射線療法」のメカニズム 進行性のがんの場合や患者の体力が手術に耐えられないと判断された場合には、「放射線療法」が検討されます。「放射線療法」のメカニズムは、放射線(電子線と粒子線)をがんの原発巣に当ててがん細胞を殺す療法です。
放射線は体を突き抜ける強い紫外線ですから、皮膚を突き抜けて原発巣の臓器の奥のがん細胞を焼き殺します。
つまり、「放射線療法」は、がんが発生した臓器の機能や形態を維持しながら治療が行えるところにメリットがあると言えます。
しかし、放射線は同時にがん細胞の周囲の正常細胞も焼き殺してしまいます。
ところが、がん細胞に比べると正常細胞はダメージから早く回復することができますので、その回復の差が正常細胞を増やすことに繋がる訳です。
通常、「放射線療法」の1回の照射時間は約5分程度で、1週間に5日間の照射を6週間〜7週間続けるのが一般的な1つのサイクルとなっています。
つまり、これらの照射パターンは正常細胞が受けるダメージから計算されており、同時に患者に照射できる放射線量の限界が計算されています。
従って、通常の「放射線療法」によって放射線が体内に残るなどの心配は無く、健康が脅かされる程の副作用はありません。

「放射線療法」によって髪の毛が抜ける食欲が落ちる 只、「放射線療法」によって髪の毛が抜ける食欲が落ちるなどの副作用は覚悟しなければなりません。

先進的な「放射線療法」

先進的な「放射線療法」 最近の技術革新によって、「放射線療法」にも先進的な方法が導入されつつあります。
先進的な「放射線療法」の1つ目は、「ピンポイント照射」です。
「ピンポイント照射」は、がんの原発巣により集中して放射線を当てる照射方法です。

「強度変調放射線治療IMRT」 先進的な「放射線療法」の2つ目は、「強度変調放射線治療IMRT」です。
「強度変調放射線治療IMRT」はコンピューターの解析によってがんの原発巣の形状を割り出し、その形状に合わせてコンピューターが照射する治療法です。
先進的な「放射線療法」の3つ目は、「重粒子線治療」です。
「重粒子線治療」は従来の「放射線療法」が電子線であるエックス線やガンマ線や陽子線を使うのに対して、重粒子線を照射するのが特長です。
重粒子線は従来の電子線に比べると、患者の体の表面では放射線量が弱く体内のがんの病巣に於いては放射線量がピークになる特長があります。
従って、従来の「放射線療法」に比べて照射回数と照射期間を減らすことにより、患者の副作用を減らす効果が認められています。
只、この「重粒子線治療」ができる医療機関は全国的に限られているのが現状です。